ジェネリックも含めて、次々に新薬も開発されるなか、患者としては治る可能性が高まるはずなので喜ばしいように思うのだけれど、選択肢が増えるということは、それだけ的確なチョイスが必要になるということだ。
医師も同じように、情報を更新しても更新しても追いつかないというのが正直なところらしい。
しかしそれでは治療もままならないし、選んだ薬がちゃんと効くのかも……
心配していたらきりがない。
そこで役に立っているのが「MedPeer(メドピア)」という医師専用のソーシャルメディア。
「AERA」誌ではこのサイトを紹介する記事で「薬の食べログ」という、例によって親父ギャグ的な発想のピントのずれた見出しをつけているが、内容は興味深い。
そもそも「食べログ」と口コミによる店の評価や印象業界に対する影響力を定義づけせずに、「MedPeer(メドピア)」と医療業界に安易に置き換えてしまう迂闊さをどうにかしてほしいとは思うのだけれど、それはさておき。
記事では、担当医が患者に対してさまざまな薬を処方したがよくならずにいたところ、「MedPeer(メドピア)」を参考に処方を変えたところ劇的に改善。
「薬の効果に驚いた。初めて処方する薬は副作用が気になり、慎重にならざるをえない。しかし、メドピアで医師の評価を直接聞けたことで、判断の後押しになりました」
という医師のコメントには、医療現場がまだまだクローズドの状態であり、症例などを含めてデータベース化されておらず、もちろん活用できるアプリの開発もこれからという状況であることを示している。
「MedPeer(メドピア)」というソーシャルメディアはもちろん「食べログ」のような匿名の玉石混淆とは異なるものであるから、医療の現場でも活用しようという流れになっているのだろうし、フィードバックが有効に機能するようにもなるのだろう。これが患者や匿名の一般人の無責任な口コミを許してしまうと、医療に対する信頼が揺らぎかねない。
「食べログ」もこうした無責任な(あるいは“やらせ”)口コミを粛清しつつはあるが、リードオンリーでいいので、一般にも開放することを検討してもらいたい。
とくに薬に関しては、当事者としては神経質にならざるを得ないし、信頼できるデータベースとして専門家の口コミも参照できる「MedPeer(メドピア)」のようなメディアが開いてくれることは安心につながると思うので。。。