日米で温度差があらわになったパンデミック終了への認識について【ニュース拾い読み】

アメリカでは大統領が「パンデミック終了宣言」を出して、それが炎上していますが、日本ではこうなっています。

[東京 21日 ロイター] – 松野博一官房長官は21日午前の記者会見で、日本で新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)終了宣言をすることは「現時点で考えていない」と述べた。

新規感染者数は今年2月のピークを下回る水準となったが、連休が続くことによる感染状況の変化に注意が必要だと指摘。今後の感染拡大やウイルスの変異の可能性に留意しながら「ウィズコロナ」の時代の感染対策のあり方について引き続き検討していくと語った。

米国のバイデン大統領は18日に放送されたCBSの番組「60ミニッツ」のインタビューで、新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)は「終わった」との見解を示していた。

日本政府はバイデン大統領に追従せず、「新型コロナウイルスのパンデミック終了宣言は現時点では考えていない」との見解を示しました。

松之官房長官の会見では、「今後の感染拡大の可能性やウイルスの変異の可能性等にも留意しながらウイズコロナにおける感染対策のあり方について引き続き検討して参りたい」と、例によって検討する姿勢です。

これに関連して、厚労省が音頭を取っている「旅館業法の見直しに係わる検討会」が7月14日に開催した会議の議事録が話題になっていたので、拾ってみましょう。

この検討会は、平成30年6月に施行された罹患業法の一部を改正する法律によって「施行後3年を目途として」見当することとされていたので開かれたもので、さらにコロナのパンデミックによる「旅館・ホテル事業者への社会経済的な影響等を背景に、旅館業の事業承継手続の整備について検討する必要があるほか、旅館・ホテルの現場に即した柔軟な感染症対策が行えるよう必要な措置を検討すべきとの声やその他の状況も踏まえ」たことがテーマとなっていました。

この取りまとめの注目ポイントは、従前の法律では「発熱等の症状があることのみをもっては宿泊を拒否することはできないとされてきた」ことを、「新型コロナウイルス感染症の感染が継続する中、今後も旅館・ホテルでの新型コロナウイルス感染症等のまん延を防止し、宿泊者や従業員の健康・安全を確保していくために、旅館・ホテルの現場に即した柔軟な感染症対策が行えるよう必要な措置を検討すべき」として、改正を求めています。

こうした検討によって、会では「発熱等の感染症(感染症法に規定する1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症、指定感染症に限る。)の症状を呈する者を直ちに宿泊拒否できるようにはしないが、これらの者には、旅館業の営業者から、医療機関の受診や関係機関との連絡・相談、旅館・ホテル滞在中の感染対策として厚生労働大臣が定めるものを要請できるようにし、正当な理由(注)なく応じない場合は宿泊拒否を可能とする」という改正への方向性を示しています。

つまり、発熱等があれば、旅館業者は医療機関への受診を促し、それが難しい場合(医療機関の休診時間など)は「宿泊拒否できる」としたい、ということです。

この方向性が法律として成立すれば、おそらくいろいろな商業施設でもこうした方針に従うものと思われます。

新型コロナではいたしかたないとは思いますが、風邪も引けない世の中になるのではないかと、心配してしまいます。

旅館業の制度の見直しの方向性について(PDF)|https://www.mhlw.go.jp/content/000965171.pdf