学校の日焼け止め禁止措置について [Chat AET]

今年の夏も猛暑が予想されているようですが、学校ではプール開きというニュースも届き、児童たちは一服の清涼剤のように楽しい授業を心待ちしているのではないかと思ったりしています。

ところが、そのプールに関連して、児童に日焼け止めを塗るのを止めさせている学校についての話題がネット界隈を賑わせています。

禁止の理由は「プールの水が汚れるから」といったものを挙げている学校もあるものの、多くはダメだからダメというあいまいなもののようです。

学校に持ちこんだ日焼け止めを先生に取り上げられたり、許可した先生が学校長から注意を受けて撤回したりと、現場でも混乱しているようすがうかがえます。

一方で、公営や民管のプールでは使えるのが当たり前となっているので、保護者側は「合理的な理由がない」と怒ったり困惑したりしているわけです。
日焼け止めの必要性は?
日光の紫外線は人間にとって健康に悪い影響を与えることがすでに実証されています。

特に夏の強い日射は長時間浴びることは、その蓄積が将来的に大きな健康被害を及ぼすことにつながると心配されているのです。

特に子どもの弱い皮膚が大量の紫外線を浴びることを防ごうとするのは、保護者にとって当然の願いであり、これを学校側が対応しきれていないということで、問題化しているわけです。

日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会では、「紫外線の強い時間帯を避け」て、プールなどで水に入っていないときは「テントの下などで肌を守りながら、「プール外では体操着」を着て、「泳ぐときはラッシュガード」を着用し、「日焼け止め(サンスクリーン剤)を使う」という見解を示しています。

前述のプールの水質汚染についても、耐水性サンスクリーン剤であれば問題ないとまで踏み込んでいます。
学校で日焼け止めを禁止する理由
学校側が日焼け止めの使用を嫌がる大きな理由に、先生の仕事が増えるから、というものがあるそうです。

園や学校で子どもに勝手に使わせるわけにはいかないため、先生が監督・指導しなければならないため、それを避けるには禁止しかない、という流れになっているというのです。

この記事で驚いたのは、学級指導のなかに「歯磨き指導」というのがあって、担任や保健の先生が子どもたちの歯磨きが正しく行なわれているかどうかを指導するよう定められていること。

日焼け止めについてもこの指導を準用しなければならないという認識になるので、余計な仕事を増したくない学校側が禁止を打ち出している、という構図のようです。
落としどころは?
環境省の紫外線環境保護マニュアル2020を引用するまでもなく、子どもたちの将来に影響することがわかっている紫外線受容を少しでも減らす義務は学校側にも、そして保護者にもあるはず。

YouTubeの活用などで一斉指導も可能な昨今、メーカーの協力で試供品を配布しつつ啓蒙をはかるなど打開策がありそうですか、いかがでしょうか。